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歯科衛生士の働き方

治療台

歯科衛生士の求人状況

現在、日本では歯科医院はかなり過剰な状況におかれています。

理由はいろいろですが、一つは歯科医院が個人で営業をしているところが多く都市部などに集中して開業する傾向があるためです。

日本全国にある歯科医院の数は約68,000件といい、特に東京などの都心部には10,000件近くが開業をしていると言われています。

歯科医院同士の競争は相当厳しいものとなっていますが、そこで必要となってくるのが歯科衛生士という仕事です。

歯科衛生士とは言ってみれば歯科医師の助手にあたる仕事で、歯科医師に付き添いながら歯の治療行為のサポート業務を行っていく人のことをいいます。

歯科医院で勤務をする人材としては、歯科技工士と歯科衛生士、それに歯科助手といった人がいます。

歯科技工士は歯の治療に必要になる義歯や詰め物などといった専用の機材を制作する仕事であり、歯科助手は実際の診療行為に直接かかわらない清掃などの事務関連の仕事をする仕事です。

歯科医師一人につき歯科衛生士は一人は必要というのが常識なので、歯科医師や歯科医院が増加するということはすなわち歯科衛生士としての職場が多くなるということと言えます。

採用をされるときに注意しておきたいこと

歯科医院では必ず必要となる人材の歯科衛生士ですが、実際の就業状況を見ると必ずしもきちんと整った雇用環境にいるとはいえません。

というのもあまり世間的には有名ではないものの、歯科衛生士に関する労務トラブルは大変数多く報告されており、一説では日本全国の歯科医院のうち90%以上が不適切な雇用契約をとっているとも言われているくらいだからです。

これは歯科衛生士の募集を出す歯科医院側が、応募してきた歯科衛生士に対して雇用条件を提示するときに書面を使用せず、ほとんどの場合が口約束で済ませてしまっているということに関係しています。

つまり求人広告などに魅力的な条件を挙げていても、書面として契約をしないまま実際の業務を開始してしまうため、後から条件が違うと訴えても言った言わないといった争いに発展してしまうのです。

そのためこれから歯科衛生士として勤務をしていくなら、雇用契約をきちんとした形で提示してくれる優良な場所を厳選していく必要があると言えます。

これからは高齢者ケアが中心に

全国的に過剰な状況におかれている歯科医院においては、現在さまざまな方法で差別化がはかられています。

都内などでは歯科治療ではなく審美歯科とされるような歯の矯正やホワイトニングといったことに力を入れていたり、「痛くない機材」など最先端の機器導入を前面に出していたりといった感じです。

一方で地方の歯科医院においては、増える高齢者のための口腔ケアを行うための歯科医院が増えてきています。

歯科衛生士は歯石の除去など基本的な歯科診療ができますから、歯科医院に勤務をすることで多くのケアをする機会があります。

高齢者向けのケアの場合、歯だけで完結することはなくほかの医療機関や介護施設との連携が大切になってきます。

そのため歯科衛生士も歯に関する技術だけでなく、体全体の健康についての知識が今後は求められていくことでしょう。