医療ロボット

2015年は医療用ロボット元年
2015年は民間向けのサービスに数多くのロボットが登場してきたまさにロボット元年とも言える年でした。
もともと日本国内ではロボット産業が大変に盛んであり、工業向けに数多くの高性能ロボットが開発されてきました。
HONDAやSonyなどの一部の大手企業が人間型の二足歩行ができるロボットを発表することもありましたが、それらはあくまでもデモンストレーション用であり、実際にそうしたロボットが普段のサービス業の中に登場してくるのはまだまだ先というふうにも見られていました。
しかしそんな中満を持して登場してきたのが民間のサービス向けの各社のロボットです。
特に目立った動きとして注目をされたのが川崎重工業株式会社による医療用ロボットの制作で、神戸市にあるシスメックス株式会社と合併会社を作ることにより、世界的に使用が可能な医療用用途のロボットを作ることを公表しています。
合併会社の名称は「メディカロイド」といい、この会社では手術支援のためのロボットを開発していくことを事業展開としています。
他にも医療用に広く使われるロボットを開発し2016年から順次実際の現場に導入していくことを目標に掲げています。
介護用ロボットも既に登場しています
既に導入されているロボット製品としては、人の動作をサポートするためのものがあります。
有名なものとしてはCYBERDYNEによるHAL医療用というロボットがあり、これは人の下肢に取り付けることで自力で立ち上がったり歩行をしたりすることが難しい人にも楽に動くことができる製品となっています。
取り付けた見た目はただ足のラインに沿って動作を行うロボットだけのようですが、このHALでは機器の中に取り付けた人の生体電位信号という数値を皮膚表面から読み取れる機能が付けられていることから、その人がどういった動作をしたいと思っているかを瞬時に察知し、そのとおりのサポートができるようにプログラムをされています。
この製品は現在ドイツのみの取扱となっていますが、日本においても同等の製品は多くの企業で開発をされており、近い将来介護の現場でも使用される機会が増えるのではないかと予想されています。
トヨタも医療介護とボットの開発に着手
同様の下半身サポート用の機器は大手自動車メーカーであるトヨタも参入を公表しています。
トヨタは以前よりモーター技術などを駆使したロボット開発に力を入れてきたのですが、医療関連にロボット技術が多く使用されるようになったのを受け、今後は民間向けのロボット開発も事業の柱としていくといっています。
トヨタの歩行アシスト機器の特徴は使用をするたびに学習していく人工知能を備えていることであり、歩行をするときの動きを随時フィードバックしてより移動しやすくなるようにプログラムを修正していきます。
ただしトヨタをはじめとする各メーカーの製品が実際に施設で使われるためにはまだまだコスト高という問題が残されています。
リハビリ支援など多くの現場で使用の可能性がある技術なので、今後は自治体や国からの援助がどのような形で行われるかが導入の鍵となってくることでしょう。