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アルコール性肝障害

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本当に怖いアルコールの健康への害

最近の若者はアルコールをあまり飲まない人も増えてきているようですが、年配世代の人たちにとっては一緒に酒を酌み交わすという習慣はまだまだ根強いものとして残されています。
大学生というのはコンパで飲み会を開くこともよくありますが、そこで無理に飲みなれないアルコールを大量に摂取させることで、急性アルコール中毒を発症してしまう人もいます。

急性アルコール中毒とは短時間に大量のアルコールを摂取してしまうことにより血中のアルコール濃度が高くなり、運動機能や意識に障害が出てしまうという状態のことを言います。
人はアルコールを摂取することにより意識が正常でなくなる「酔い」の状態になりますが、これがあまりにも進みすぎてしまうと「酩酊」という自分自身で理性をコントロールできないようになります。

東京消防庁のデータでは、平成25年度中に急性アルコール中毒として都内の病院に救急搬送された人の人数は12960人で、この中には深刻な生命にかかわるような状態になってしまっている人も含まれています。
急性アルコール中毒になる人数が最も多いのは20代で、飲みなれないお酒を一気に大量に飲んでしまうことにより気がついたら意識がなくなっていたということになるようです。

若いうちは自分のアルコールの強さもしっかり自覚ができていませんので、あまり勢いで大量に飲むのではなく少しずつ飲みながら自分のペースを掴んでいくようにしてください。

長年の飲酒習慣がもたらす不調

アルコールに関する病気ということで言うと、上記のような急性アルコール中毒は非常にわかりやすい症状です。
しかしアルコールに関する症状の中には外部からはわかりにくいものもあり、知らないうちに体の内部を蝕んでいたということもあるので注意が必要です。

人がアルコールを摂取するとそれを体内で分解するために内蔵が働くことになりますが、中でも最も関連が深いのは肝臓です。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われるように何らかの不調があっても痛みや異変を感じるということが少なく、ようやく自覚症状が出てきたときには病気が既に相当進んでしまっていたということもあります。

長期的なアルコール飲酒によって引き起こされれる症状の代表が「アルコール性肝障害」です。
「アルコール性肝障害」とはアルコールを長く飲み過ぎることによって肝臓の機能が損なわれるという状態を全般的に指すもので「アルコール性脂肪肝」や「アルコール制肝線維症」「アルコール性肝炎」「アルコール性肝硬変」といったものなどが挙げられます。

中でも最も症例が多いのは「アルコール性脂肪肝」で、人の肝臓をつくる肝細胞に中性脂肪が沈着してしまうものでこれが続くことで慢性的な病気に発展していってしまいます。
ただしこの「アルコール性脂肪肝」は検査によって比較的すぐに発見をすることができる症状なので、早期発見をしてしばらく禁酒をすることによりすぐに回復をすることが可能です。

怖いのは他の病気との合併症

肝機能に異常が発生するのはだいたい10年以上の長期間の飲酒習慣がある人とされています。
毎日大量に飲酒するということを10年近くも続けていると次第に肝臓の機能が弱まりアルコールを素早く分解することができなくなってしまいます。

分解されなくなったアルコールは体内で別のよくない症状を引き起こしてしまうので、さらに消化管出血や脳症といった病気が合併症として現れてしまったりします。
仮にいま症状がなくても長期間連続して飲酒をしているとどんどんダメージが蓄積されていってしまいます。
週に一度は休肝日を設け、飲み過ぎにならないように飲酒量を調節していくようにしましょう。