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現代型鬱病について

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現代の若者を襲う新型うつについて

「新型うつ」という言葉が登場したのは今から10年位前だったでしょうか。

日本国内の景気が悪くなってきたあたりから過重労働や強いストレスによりうつ病を発症するサラリーマンが増えたというのは事実なのですが、そうした状況と並行するようにして目立ってきたのが「新型うつ」という若者特有の症状です。

「新型うつ」は別名「現代型うつ病」と言われることもあり、従来のうつ病と異なり一日中塞いだ気分になるということはなく、仕事など本人が抵抗感を感じる場面では発症する一方自分の趣味に没頭するときには全く症状が出ないというところに特徴があります。

そのため本人は「つらい」「仕事なんてできない」と訴えているものの、家に帰ればたくさんものを食べるし大笑いをしながらマンガなどを読んでいるということで、周囲から本当に病気なんだろうかと疑われるようなこともよくあります。

心の病気の場合、つらさを訴えるのはあくまでも本人の主観になってしまうので実際のところ従来のようなうつ病とどこまで違うのかというのは疑問の残るところですが、新型うつの場合には特定の性格的特性のある人が多く発症しているということがわかっています。

ストレス耐性の弱さの世代差

新型うつを発症する若い世代に共通している性格的特徴として「自己愛が強い」というものがあります。

「自己愛」というと何やら悪いイメージになってしまいますが、適切に持つことができれば生きる力にもなりプレッシャーにさらされても乗り切るための精神力にしていくことができます。

しかし新型うつを発症する若者の場合、自己愛のよりどころが「自分は優秀な人間である」といった根拠のない思い込みであることが多く、社会に出て否定されるような状況にさらされることで現実と自分の中の理想像とのギャップに耐えることができなくなり、それが病気の原因になっているようです。

従来のうつ病も真面目な性格の中年などがうまくストレスを逃がすことができずに抱え込んで発症をしてしまうので、心のストレス耐性の許容量を超えてしまったということでは両者のうつは同じ根を持つものと言えるでしょう。